税理士の経営・財産・相続トピックスVol.039「設備投資と寄付」
米国大統領選挙の真っ只中に、デトロイトの病院を訪問しました。
小生が米国アイオワ大学病院に研修生の頃からの古い友人が某1000床規模の病院のPresidentをしていたので、情報交換も兼ねての訪問でした。米国の1000床規模の病院はスタッフが1万人ぐらい、経営の話をしても、言葉も、態度もさすが1万人のトップという貫禄と切れ味です。
さて、米国の病院事情は良くも悪くも日本とは大きく違いますが、設備投資とボランティアに特徴があります。米国では病院の建築、大規模な医療機器、そのような設備等に対して地域から多くの寄付が集まります。その額は十億、百億という単位になります。
従って建築もいかにコストを抑えるかではなく、いかに地域の医療に役立つかを最優先にした考え方になります。日本ではあり得ないような設備の充足とホスピタリティになっています。
さらに利益から設備投資をする必要がないため、利益を純粋に医療サービスに使うことが出来るのです。
日本では、民間病院が大きく医療を支えています。銀行から資金調達をして設備投資し、利益の中から返済しなければなりません。日本の医療は日本人の真面目さ、勤勉さ、純粋さに支えられています。
しかし、将来、日本の医療が国際競争の中で勝ち残るためには、設備投資に対する多大な助成と、寄付に対する大幅な税制の整備が必要になるのでしょう。
まず、大きな税制改正を期待したいものです。
(2016年12月1日 税理士法人日本経営 代表社員税理士 丹羽修二)
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